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行政書士への夢を実現させるサイトブログ:120128
四畳半程度の広さだが、
小松菜やほうれん草がとれ、トマトやナスを育て、
シソやミツバが食べられる我が家の家庭菜園は魅力に溢れている。
さわやかな日差しを浴びながら、
嫁と一緒に虫や草をとり、
若苗の間引きなどをしていると…
「雑草を恐れるな」
突然、二階のベランダから母親の声がした。
御歳九十三、認知症が少し出ているが、
しゃきっとしたもの言いに、
ぼくは「分かった」と見上げながら答えた。
「まだ本当の百姓ではない」
ぼくの手つきや野菜の育ち具合いを見てのさらなる声。
「野菜は同じところに作るな」と
忠告も飛んでくる。
ぼくは「はいはい」と返事をしながら、
久々に力が入っている母親を微笑ましく思った。
五年前、母親の調子が少し崩れかかったときには、
猫を飼って凌いだ。
母親が生きていく上で必要なのは、
連日の具体的な世話と思いやる心を
取り戻してもらうことであったから…
「畑をやればまだ長生きしてもらえるかも」と嫁が言うので、
ぼくが「降りてきて畑をやらないか」と大きな声で誘ったら、
母親は「それは無理」と小さく言って顔を引っ込めてしまった。
信州の農家出身の母親。
その母親の口癖が、
「あの山の向こうに行けば田舎がある」だった。
山とは、ベランダから見える小高い公園の雑木林だった。
父親が亡くなって二十五年。
この頃、母親の気持ちはさかんに実家へと向いている。
ふるさとを「魂の休まるところ」と理解すると、
母親の心情がよく理解できた。
最近
「体調、体力を見て実家へ母親を連れて行こう」が
ぼくと嫁の合言葉になっている。
